施設での熱中症対策

介護施設における夏の大きな課題の一つが、高齢者の熱中症対策です。年を取ると体温調節機能が衰え、暑さに弱くなります。加えて、喉の渇きを感じにくくなるため、自ら十分な水分を取ることが難しく、状況をさらに悪化させかねません。そのため、施設でもしっかり熱中症対策を取ることが必要です。

まず、室内温度の管理が重要です。エアコンや扇風機をうまく使って、室内を快適な温度に保ちます。ただし、直接風が高齢者に当たらないように注意し、温度差が激しくならないように気をつけましょう。また、日差しが強い時間帯は、カーテンを閉めて室内に熱が入るのを防ぐ工夫も大切です。次に、水分補給を促すことです。自分で水分を取ることが難しい利用者には、こまめに声をかけて水分補給を促しましょう。ただし、冷たい飲み物は体を冷やすことがあるため、室温程度の飲み物を提供するのが望ましいです。利用者の中には、水を飲みたがらない方もいますが、その場合は、スイカやゼリーなど、水分を多く含む食品を活用する方法もあります。

衣類の工夫も忘れてはいけません。通気性の良い、薄手の衣類を選び、こまめに着替えさせることで、汗をかいても体が冷えにくくなります。また、冷房による室内の冷えを防ぐために、薄手の羽織ものを準備しておくと安心です。最後に、定期的な健康チェックは欠かせません。特に、体温や水分摂取量、尿の色などをチェックし、異常があれば速やかに対応する必要があります。夏場は、脱水症状や熱中症の兆候に特に注意し、速やかに対応することが重要です。介護スタッフ一人ひとりが、心掛けておくことが大きな予防に繋がるでしょう。